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為替介入情報の読み取り方と付き合い方

タツロン
鹿児島県出身 千葉県在住
株式会社TATSUROTOKYO

代表取締役社長
MetaVerseSoaring 運営者
FXトレーダー15年目
運用資金:MAX15億円以上

最近始めたゴルフにどっぷり浸かり、ゴルフのことで頭がいっぱいです。パターマットといよいよ練習ネットまで揃えてしまった・・・。
トレードしながら、次世代のシステムやサービスも作りながら、
田舎でゆっくり暮らしてます。

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☆免責事項☆

当ブログはタツロン個人の見解によって
解説しているものです。
投資を促すものではありません。
投資をなさる場合は、可処分所得で。
FXは元本割れするリスクがあります。
取引を行う場合は、リスクを十分に考慮した上で、自己判断、自己責任で行ってください。
判断はアツくならず冷静に。
投資はおいしくほどほどに!

為替介入の時系列

2022年9月24日に24年ぶりの円買い為替介入が実行されました。
何だか随分前のような気もしますが、思い返せばとても記憶に残る流れで本当に介入が実行されるのではないかと、市場には警戒と期待が徐々に大きくなっていったことを思い出します。

2022年3月 ドル円レート:125円台(黒田ライン手前)
鈴木財務相
「いわゆる悪い円安にならぬよう、しっかりと注視」

2022年4月 ドル円レート:131円台
鈴木財務相
「特に急激に変動するのは日本経済にとって望ましくない」
「為替市場の動向を緊張感を持って注視」

2022年6月 ドル円レート:135円台
神田事務官
「適切な対応はあらゆるものを含む」
「現在のような1日に何円も動く相場がファンダメンタルに沿っているとは思えない」

2022年7月 ドル円レート:139円台
鈴木財務相
「投機的な動きも背景に急速な円安の進行が見られる」
「必要な場合は適切な対応」
「一方的に円安に振れている」
「介入をやるときは間髪入れず瞬時にやる」

2022年9月 ドル円レート:144円~152円台
神田財務官
「明らかに過度な変動」
「行き過ぎた相場にはあらゆるオプションを排除しない」
「為替介入はいつでもできるようにスタンバイ」
日銀によるレートチェック
鈴木財務相
「関係各国と緊密に連絡を取り合っている」
「断固たる処置(介入)に踏み切った」

 

ドル円日足

なぜ「介入」なのか

本来、自国通貨の保護で中銀の介入はなくはないケースですが、多くはありません。
懐刀、伝家の宝刀と表現される通り、根本的な解決策ではなくどちらかといえば場当たり的な対応と言わざるを得ませんから、どちらかといえば金利の引き上げにより金利差の優位性で価値を高めることや、諸外国に比べて競争力がつく分野(現在ならAI、メタバース、スーパーロボット化など)に投資を積極的に行うことが国力、ひいては国の信用、国の価値に繋がり、円高方面に振れるということなのでしょう。

昨今の相場状況はというと、クロス円の円安方面の動きが顕著であるとトレーダーなら知るところですよね。
それは日米の金利差が顕著(日本はいまだにマイナス金利)ということでもありますし、なかなか金利を上げることが出来ないファンダが見え隠れします。

そこには国債の発行額に対する金利や住宅ローンの金利関連にショックがないような配慮もそうですし、
マイナス金利や異次元の金融政策の出口戦略は急激な円高や株価大幅下落などを引き起こす可能性が非常に高いので、混乱は最小限になるよう丁寧で根拠のある説明、市場に対して先手先手のフォワードガイダンスは必須といえます。

なぜ、何十年ぶりの円安となってしまうのか、ではどうすれば転換するのか。
抜本的な解決方法はわかっているのだけども、実行しづらい理由やタイミングもあり今に至ります。
物価高、税金のカテゴリー増、インボイスなどに、金融引き締めのさらなる「苦」を決断すれば、選挙で勝てないという判断も政府の本音でしょう。

ドル円、次の「為替介入」はいつ?

時期や価格帯を明確にすることはできませんが、おおよそのこれくらいなのではというレベルを示すことくらいはできます。
前回の反応より一段階上で対応する可能性は高いです。例えば、特別警戒が警戒、介入直前が特別警戒という具合。
また、警戒レベルは飛ばして特別警戒と介入直前になる可能性もあるので、注意が必要です。

一度やったら、やるぞとけん制するだけで効果はある。だが・・・

このような予測はある程度立てることができます。ただ、実際に予測の元、ブレイクか反転かはプレイヤーに判断が委ねられます。未来がわからない以上、相場を予想することで得られる期待値は上げ下げ50%を超えることはないですから、プライスアクショントレードが必要不可欠です。 

「ここで口先介入がありそう、介入がありそう」とわかりやすい場所であればあるほど、仕掛けるポイントにもなり得ます。
実際、前回介入しても、実行した価格レベルまで上昇しているわけですから「また介入が入るだろう」と油断していると、ヘッジファンドや様々な仕掛けにより買い支えを諦めなければならない場合も考慮しなければなりません。
実際にユーロ/スイスフランの1.20防衛ライン撤廃で、そこから約4000PIPSも下落しました。スイスフラン高を阻止するためのスイス銀行のユーロ買いですから今回のドル円に対する日銀の円買いのケースとは違うものの、ドル円の防衛ラインを150.333円~154.123円付近と高を括った安直なショート戦略は多大なるリスクを抱えていることも忘れてはなりません。

テクニカル分析のおまけ程度で

やはりこの手の情報(ファンダ)は、日頃のテクニカル分析があってこそ。
頭の片隅にいれて、大きな動きがあれば「もしかしたらあれかな?」くらいで、後から認識できるくらいがベストです。
どうしたって、現在ドル円のロング戦略は警戒感が出てしまいます。しかしながら、上昇トレンドの「安値切り上げ、高値更新」はトレンド継続の期待値であるのも事実。ここを捨て続けることで、目線がショート寄りになり過ぎてしまう。
トレードする上で一番のリスクは、為替介入の下落でもなく、仕掛けの上昇でもなく、本来相場は上がったり下がったりするわけですから、プレイヤーが「上げ下げの目線を一方向に固定しまう」ことが最大のリスクなわけです。

ロング、ショート、どちらかにしか見えないときは、相場に対する目が曇っている証拠。「介入の噂」がそうさせるのであれば、あまり気にしない方がよいでしょう。
それくらいのスタンスで介入関連の情報(ファンダ)には付き合っています。
私もトレーダーのキャリアは十数年ほどになりましたが、慌てなくても、流れに乗り遅れても、これからチャンスはいくらでもやってきますし、それが相場という世界であり、経験上、エントリーポイント、決済ポイントが枯渇したことはありません。

今後、再度為替介入があったもののタイミングが合わずに「ショートしとけばよかったー」などと思う必要もなく、チャンスなどさっさと見切ってしまえばいいのです。
見切り千両。損切り以外にも、手が届きそうで届かない利を見切ることにも千両の価値がある、と締めておきましょうか。
結論、テクニカルのおまけ。でOK!

ご高覧頂き、誠にありがとうございます。

MetaVerse Soaring Presented by Japan AI laboratory